ダイビングでは、様々な海の生物に出会うことができるのも大きな魅力です。

優雅に泳ぐ魚や色鮮やかなサンゴなど、見ていて飽きない海の生物ですが、なかには噛んだり刺したりしてくるような危険な生物もいます。

のんびりとフワフワ漂っているように見えるクラゲも、カラフルなイソギンチャクも、刺胞動物の仲間となり、強い刺胞毒を持った種類もいるなど、むやみに触るのは大変危険です。

今回は、ダイビングを安全に楽しむためにも海の危険な生物をご紹介していきましょう。

 

 

■沖縄の海にも存在する!危険な生物たちとは?

ハブクラゲ

自然豊かな沖縄の海には、たくさんの生物が生息しておりダイビングを通して出会うことができます。

しかし、毒を持つような危険な生物もたくさんいるのです。

大半はヒリヒリ・チクチクする程度の比較的毒性の弱い生物ですが、場合によっては刺されると命の危険に関わるような毒性の強い生物もいるので、見分けられるようにすることでトラブルなくダイビングを楽しめます。

 

・ハブクラゲ

5~10月頃に多く発生するクラゲの一種です。

10~15cmほどの立方体の傘を持ち、1m以上の長さに達する強い刺胞毒を持つ触手が四隅から伸びています。

浅瀬や干潮時の潮だまり、人工ビーチなど、流れがなく淀んだ海などにも現れる傾向があり、半透明で触手も長いために気づかずに触れてしまい、刺されてしまうケースが多いです。

沖縄近海で最も被害の多い生物となります。

猛毒ヘビの「ハブ」の名がついたハブクラゲは、その名の通り非常に強い毒を持ち、刺されると死亡する危険もあります。

万が一刺された場合は速やかに病院に行きましょう。

 

・ヒョウモンダコ

小型のタコで体長は10cmほどしかありません。

足の付け根にある口で噛まれると命に関わるほどの強い毒が注入されてしまいます。

主な成分はフグ毒と同じテトロドトキシンなので、ヒョウモンダコに噛まれた時は口で毒を吸い出そうとしてはいけません。

刺激を受けた時に鮮やかな青紫色の斑点が浮かび上がるためこの名がつけられました。

普段は地味な色合いなので、ヒョウモンダコとわからずに捕まえてしまい噛まれるケースが多いようです。

サンゴ礁や潮だまりなどの浅瀬に生息しているので、磯遊びの際は注意が必要です。

 

・カツオノエボシ

透き通った青色の浮き袋を持った電気クラゲです。

大きさは10cmほど、触手は長いもので50cmほどになります。

通常は沖合の海面に浮かび風を受けて移動しますが、風向きによっては海岸近くまで来てしまうことがあるのでシュノーケルや海水浴で被害が出ることが多いです。

青く美しい触手には非常に強い毒があり、刺されると電撃を受けたかのような激痛が走り、場合によっては死亡してしまうこともあるので注意が必要です。

浜に打ち上げられていることもありますが、毒のある刺胞は時間が経過してもしばらくの間は健在なので、見かけてもうっかり触ったりしてはいけません。

 

・イソギンチャクやサンゴの仲間

イソギンチャクやサンゴと聞くと植物の仲間だと思う方も多いのではないでしょうか?

種類によって毒の強弱はありますが、実はイソギンチャクもサンゴも刺胞動物なのです。

こんもりとした見た目が特徴のハナブサイソギンチャクは触手に強い神経毒を持ち、刺されると皮膚が麻痺し、呼吸困難に陥ることもある危険なイソギンチャクです。

サンゴ礁の砂地や子どもでも入れるような浅瀬にも生息しているため、うっかり踏んだりしないよう注意が必要です。

また、アナサンゴモドキの仲間のファイヤーコーラルは比較的毒性の強いサンゴで、触れると火傷をしたような痛みを伴い、強いかゆみが数日続きます。

 

 

今回は、ダイビングを安全に楽しむために、海の危険な生物をご紹介しました。

むやみに生物に触れないことはもちろん大切ですが、ウェットスーツやラッシュガードなどで肌を露出させないことも対策として大切でしょう。