ダイビング中に突然襲い掛かるダウンカレントという現象はご存じでしょうか。

ダウンカレントは巻き込まれた時の対処法を知らないと水難事故にあい、最悪死に至る場合もある大変危険な現象です。

楽しく安全にダイビングをするためにも、ダウンカレントが起こりやすい場所や抜け出し方についてご紹介していきましょう。

 

 

 

■ダウンカレントが起こりやすい場所

ダウンカレント

ダウンカレントとは、浅瀬から深い海底に引き込まれる現象のことを言います。

海の深さが変わるポイントや、深い部分から来た潮の流れが浅いところにぶつかると下に引き込む力が強くなります。

そのため、ダウンカレントのポイントに気が付くことなく、ハマってしまうのです。

ダウンカレントは、天候や海の荒れ模様関係なく起こる現象です。

特に潮の流れがあるダイビングポイントで起きやすく、海の流れは見えるものではないため、潮に流されて初めてダウンカレントを起こしていることに気付くことが多いようです。

ポイントにはまると出られなくなり、水難事故に合う場合もあるため、海の深さが変わるポイントでは注意が必要です。

 

 

■ダウンカレントを抜け出すには

 

ダウンカレントを抜け出すには4つのポイントを押さえておく必要があります。

ダウンカレントを落ち着いて抜け出すためにも参考にしてください。

 

1.巻き込まれたことをバディや仲間に伝える

ダウンカレントに巻き込まれたら、まずは仲間に知らせることが大切です。

ダウンカレントに巻き込まれたことで、仲間と離れてしまうと水難事故に遭う危険性が高まります。

ベルやホーンを使用して知らせることで、仲間が気付いて脱出できる可能性が高まります。

はぐれることを防ぐ効果もあるので、さらなるトラブルを防ぐためにもリスクは回避しましょう。

 

2.流れに乗りおつかまりポイントで流れの方向に体を向けて待機

ダウンカレントが多く発生するポイントは岩礁域です。

岩礁域でダウンカレントに巻き込まれたら、ガイドの誘導に従って潮の流れに任せておつかまりポイントまで目指しましょう。

おつかまりポイントに到着したら岩につかまり、潮の流れに沿って体を向けて待機します。

潮の流れの方向に体を向けないと、流れを受ける体積が広くなり漂流する可能性があるので必ず流れに沿って体を向けてください。

 

3.ガイドと同じ水深を保ちながら、おつかまりポイントを離れる

ガイドの誘導に従い、同じ水深を保ちながらポイントから離れましょう。

ガイドよりも深いところにいると減圧症の危険が伴うだけでなく、ダウンカレントから抜け出せない可能性もあります。

 

4.BCの浮力でゆっくり浮上する

ダウンカレントポイントから離れても、流れの下にいるため再び流れで落ちていかないようにBCにエアーを入れていきます。

フィンキックで浮上できればいいのですが、浮上できない場合がほとんどです。

BCの浮力を活用しながら、ゆっくりと海面に浮上しましょう。

 

 

■ダウンカレントに巻き込まれないためには

ダウンカレント

ダウンカレントに巻き込まれないための対策として、ガイドやそのダイビングスポットに詳しい人の話をきちんと聞き、注意事項を守りましょう。

特に潮の流れが激しい時は、ガイドから離れないように同じ水深とコースで潜ることが鉄則です。

距離をとると自分だけダウンカレントに巻き込まれてしまうため、ガイドだけでなくバディや仲間と離れないように動きましょう。

 

 

 

突然のダウンカレントに巻き込まれた時の対処法をご紹介してきました。

何が起こるかわからない海の中でダウンカレントに巻き込まれた時は、不安や恐怖が大きいでしょうが、落ち着いて行動することが大切です。

巻き込まれた時のためにも、仲間と一緒に上記のポイントを押さえておきましょう。

そして、ガイドの注意事項をきちんと守り、安全にダイビングをすることで楽しい思い出を残すことができます。