インストラクターやガイドがいない、セルフダイビングを楽しむ時に必須アイテムとなるコンパスは、方位が分からない水中でダイバーをナビゲートしてくれる優れ物です。

しかし、初心者には使い方が難しい器材とも言われています。

セルフダイビングのみならず、ガイドがいるダイビングにおいても必要な器材になるので使い方をきちんと把握しておく必要があります。

そこで今回は、コンパスの正しい使い方や使う時の注意点についてご紹介しましょう。

 

 

■コンパスの種類と各部位について

コンパス

ダイビングには耐圧防水の水中コンパスを使い、今自分が向いている方位や行きたい方位を調べられます。

コンパスにも「計器コンソールタイプ」という残圧計などの計器類とまとまっている物や、腕時計タイプなど様々な種類があります。

自分が使いやすい物を選ぶと、安心できるでしょう。

文字盤には普通の方位磁石と同じように東西南北に分かれていますが、水中コンパスにはラバーライン・ベゼル・インデックスマークという陸上の方位磁石にはない部位が存在するので、それぞれの特徴を把握しておかなくてはなりません。

 

・ラバーライン

コンパスの中心にある赤い線です。

ラバーラインを行きたい方向と一致するように使わないと、コンパスの意味を成しません。

 

・ベゼル

数字が書いてある外周の縁部分を指します。

ベゼルに書かれた数字は、0~360度を指す方位目盛です。

ベゼルを操作して行きたい方位を定めます。

 

・インデックスマーク

ベゼルに2つ並んでいる、短い突起物のマークです。

最初にインデックスマークに合わせて磁針を向けることで、正確な方位が分かります。

 

 

■コンパスの正しい使い方

コンパス 使い方

1.今自分が向いている角度を知る

水中での方向を知るためにも、今自分が向いている角度を知っておきましょう。

自分の前にコンパスを持ち、同じ目線になると覗き窓が見つかります。

覗き窓から見て、ラバーラインと被った数字は今自分が向いている角度が何度かを示しています。

潜る前に岸を向いた状態で予め調べておけば、岸がどこにあるかすぐに見つけられるでしょう。

ダイビングに夢中になって方向が分からなくなった時のために、磁針の北がインデックスマークと被るように回せば迷わなくなります。

 

2.直線ナビゲーションを活用する

直線ナビゲーションは、その名の通り直線上で往復するための方法です。

行きたい方角へ向かうために、ベゼルを使います。

ベゼルを回す時、ラバーラインの中でも自分と反対に位置する方向(150度)が来るようにしましょう。

そして、インデックスマークがコンパスの北と重なれば、自分が行きたい方向へ泳ぐことができます。

 

3.行きたい方向に目印をつけて泳ぐ

コンパスだけを見つめて泳ぐと、潮流に巻き込まれていることに気付かず、違う方向へ向かっている状態になります。

これを防ぐためにコンパスで行きたい方向が決まったら、その方向に岩や海藻などの動かない目印を作りましょう。

目印についたらコンパスで方向を確認し、次の目印を作って泳ぎます。

目印をつけてから泳ぎ、また次の目印をつけてから泳ぐのを繰り返しましょう。

 

 

■コンパスを使う時の注意点

 

・脇を締めて両手で持つ

・コンパスは水平を保つ

・進行方向に向けてまっすぐ見る

 

上記の注意点を踏まえてコンパスを使わないと、方位が正確に現わせなくなり水難事故に遭ってしまう危険性が高まります。

特にセルフダイビングはインストラクターやガイドがいないため、元の場所に戻るためにも注意点はしっかり押さえておきましょう。

 

 

 

ダイビングの必須アイテムであるコンパスの使い方と、使う時の注意点をご紹介してきました。

初心者の場合、ガイドやインストラクターと逸れた時でもコンパスは活躍するため、きちんと使い方をマスターしておきましょう。

ダイビングのライセンスを取得しバディとセルフダイビングをする時も、コンパスを使いこなせば楽しくダイビングできるので、使い方をマスターしてください。