ダイビングをしていると、小さな魚の群れに出くわすことがあります。
その魚の1つであるスカシデンジクダイは、華麗な集団行動が魅力的です。一度見ると、思わず心が奪われてしまいそうになります。
しかし、そんなキンメモドキも群れをつくり、同じような動きをするため「これはスカシテンジクダイ?それともキンメモドキ?」と混乱することもあるでしょう。
そこで今回は、スカシテンジクダイとキンメモドキを見分ける方法についてご紹介します。
見分けることができるようになると、さらにダイビングが楽しくなりますよ。
■スカシテンジクダイは、キンメモドキによく似ている!
海中を躍動的に進むスカシテンジクダイの群れは、その美しさで多くのダイバーを魅了しています。
そんなスカシテンジクダイですが、同じような姿をした魚にキンメモドキという種類がいるため、「これはどっち?」と度々ダイバーを混乱させます。
2種類が混ざって泳いでいることもあるため、魚に詳しくない人であれば見間違えるのも無理はありません。
■スカシテンジクダイとキンメモドキの生態
スカシテンジクダイとキンメモドキを見分けるために、まずは両者の生態について知っておきましょう。
・キンメモドキ
キンメモドキは、ハタンポ科の魚です。
夜行性であるため、昼間はサンゴ礁の近くに隠れており、泳ぐ時は群れを成して大群になります。
群れは大きな魚がいるかと見間違えるほど統制が取れており、スムーズな動きをするのが特徴です。
生息場所はインドから西太平洋、台湾などで、日本では千葉県外房から九州の南岸、沖縄などで見ることができます。
温かい環境を好むため、沖縄では春から夏に出会うことが多くなります。
・スカシテンジクダイ
スカシテンジクダイは、テンジクダイ科の魚です。
インドから太平洋に生息しており、日本では九州などの太平洋岸や小笠原諸島、沖縄といった場所で見ることができます。
「スカシ」という名の通り、透明な体をしている点が特徴です。
テンジクダイ科は日本だけで80種以上確認されていて、世界に270種以上が生息しています。
テンジクダイ科の中にもスカシテンジクダイと似た種類がいるなど、似たような魚が多い種類です。
■これはスカシテンジクダイ?キンメモドキとの見分け方
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スカシテンジクダイとキンメモドキは、生息域が重なっており、混ざり合ってお酔いでしまうため、見分けにくいともいわれています。
両者の見分け方には、以下のようなポイントがあります。
・色
前述したように、スカシテンジクダイの体は透明です。
近づくと骨まで見えるスケルトンボディが、スカシテンジクダイの特徴と言えます。
一方のキンメモドキは、オレンジ色に近い赤い体をしています。
しかし、中にはスカシテンジクダイと同じように透明の体をした個体もいるので注意が必要です。
・サイズや好む場所も同じ
スカシテンジクダイもキンメモドキも、どちらも体長は2~5cmほどです。
普段居る場所もサンゴ礁の近くやイソバナの周辺などでよく似ています。
しかも、どちらも群れをつくって泳いでいるので、サイズなどを見ただけでは判断できないかもしれません。
・背びれの数
両者の背びれの数には、はっきりとした違いがあります。
スカシテンジクダイの背びれは2つですが、キンメモドキの背びれは1つです。
遊泳中に背びれを確認することは難しいかもしれませんが、見分けるポイントにするといいでしょう。
・尾柄部の黒点の有無
尾柄部とは、魚の尾の付け根あたりを指します。
スカシテンジクダイとキンメモドキを比較した場合、スカシテンジクダイの尾柄部には黒点が見られますが、キンメモドキには黒点がありません。
ただし、スカシテンジクダイの個体によっては黒点が薄く、見えにくいこともあります。そのためいくつかの個体を確認して、どちらの種類なのか判断するようにしましょう。
スカシテンジクダイは海中で群れをつくって泳ぐ小魚ですが、キンメモドキと姿形がよく似ています。
スカシテンジクダイの特徴は透明の体ですが、キンメモドキの中にも透明な個体はいるため、色で判断できないこともあるでしょう。
背びれの数や尾柄部の黒点も見分けるポイントになるので、ダイビングで見かけた時はぜひ注目してみてください。