ハゼマニアやフォトダイバーにとても大人気な魚が、ニチリンダテハゼです。

日本魚類学会の会員だった上皇陛下が名付け親とされており、その姿を見たいダイバーが多くいます。

また観賞魚としても人気が高く、高値で取引されています。

ダイバーであればニチリンダテハゼをダイビング中に見たいものですが、その特徴と分布している地域などを把握しておかなければ見ることはできません。

そこで今回は、ニチリンダテハゼの特徴と生息地をご紹介します。

ダイビングで出会えた際の注意点もご紹介するので、出会えた時の参考にしてみてください。

 

 

■ニチリンダテハゼの特徴や分布地域

 

 

・特徴

ニチリンダテハゼは、透き通るような真っ白な体にオレンジ色の縞模様が特徴的な魚です。

体の真ん中にある背びれが大きな円形で、黒い円形模様があるため他の種類と区別がはっきりできます。

リラックスしている状態だと、ニチリンダテハゼの特徴である背びれを閉じています。

そのため肉眼で見つけても、背びれが見えないという理由で違う種類と勘違いされる方も多いです。

体長は成長した個体で9cmほどあり、主に砂溜まりやガレ場などに生息しています。

 

また、ニチリンダテハゼはテッポウエビと共生しており、それぞれ役割があります。

テッポウエビは巣穴の拡張と修理で、ハゼは天敵を発見し危険を知らせているのです。

 

・分布地域

日本では奄美大島や沖縄諸島の伊江島、石垣島などに生息しています。

海外では、インド洋や西部太平洋などに生息しています。

 

水深はやや深めの20~40mほどのサンゴ礁の湾内や潮通しの良い外縁、ドロップオフ下の砂溜まりにいることが多いです。

天気が良く水温が安定しているところを好み、冬の海は岩陰に潜んでいることが多いです。

 

 

■ダイビングで出会うには沖縄南部に

沖縄南部

ダイビングで出会うには難しい魚です。

沖縄南の海には生息しており、その姿を観察できる可能性はありますが1年に数匹見つかる程度のレアな魚のため、見つけることすら難しいでしょう。

また沖縄南部はニチリンダテハゼを見に、フォトダイバーという水中カメラマンのような存在がたくさんいるので、警戒し出てこなくなる可能性もあります。

天気が良くない、水温が普段より冷たいと出てこない場合があるため、ダイビングで出会いたいという方はガイドさんと相談し、タイミングを見計ることが大切です。

ガイドの方もなかなか見られない希少種なので、見ることや出会うことは難しいでしょう。

 

 

■ニチリンダテハゼに出会えた時の注意点

ニチリンダテハゼ

ニチリンダテハゼに出会えたとしても、ダイバーとして注意すべき点はいくつかあるため、しっかりと把握しておきましょう。

 

・気が強いため近づきすぎに注意

ニチリンダテハゼは、他のハゼと比べて気が強い傾向にあります。

その気の強さから、他の魚との争いで体がボロボロになっていることもあります。

近づきすぎると体当たりしてくるので、安易に近づきすぎない方が良いでしょう。

 

・テッポウエビの仕事を増やさないように

テッポウエビは先ほど紹介した通り、ニチリンダテハゼの巣穴を管理しています。

ダイバーは巣穴を塞ぐことがないように、一人ひとり注意することが重要です。

写真を撮るダイバーは、手が巣穴に触れないように気を付けましょう。

また、その場から退散する際に、フィンキックによって巣穴が崩れてしまったり、フィンの先が巣穴に当たってしまったりして、テッポウエビの仕事を増やさないようにしましょう。

 

・写真を撮る時は少し警戒させる

ニチリンダテハゼは、リラックスしているときに特徴的な背びれを閉じています。

その背びれを見せるためには、少し警戒させないといけません。

しかし必要以上に警戒させてしまうと、そのまま巣穴に逃げ込んでしまうため、驚かせないように慎重に近づくことが大切です。

 

 

 

ニチリンダテハゼの特徴と分布地域、出会えた際の注意点をご紹介してきました。

ニチリンダテハゼのみならず、他の魚も警戒心が高いので写真を撮る際には注意が必要です。

ダイビング中に写真を撮る時のマナーは、きちんと守りましょう。

また、ダイビング中にニチリンダテハゼと出会った時は、驚かせないように観察しましょう。