ダイビングは海中の景色や地形、海の生物との出会いが楽しめる人気のマリンスポーツですが、他にも様々な楽しみ方があります。

今回はその中の1つ、海底に沈んだ船や飛行機などの周りを潜る、「レックダイビング(沈船ダイビング)」の楽しみ方や、日本国内でのおすすめダイビングポイントをご紹介しましょう。

 

 

■レックダイビングとは?

レックダイビング

レック(wreck)とは難破船の意味で、レックダイビングとは一般的に海底に沈んだ戦艦や輸送船、戦闘機などの周りを潜るダイビングのことを言います。

あくまで沈船を外から眺めるのが目的で、決して船の内部に入るわけではありません。

レックダイビングで有名なスポットといえば、世界最大級とされるチューク環礁が島々を囲むミクロネシアのチュークです。

太平洋戦争時代に沈められた大小30隻を超える船や飛行機が、環礁に守られ勇壮なその姿を今に残しているため、レックダイビングの聖地として世界中からダイバーたちが集まっています。

沈船と聞くと物々しい雰囲気を感じるかもしれませんが、沈船は多くのサンゴや魚たちの棲み家となるので海中の生態系の維持にも貢献しており、その役割を期待され人工的に沈められた船なども存在します。

 

 

■日本でのレックダイビングおすすめスポット

レックダイビング スポット

 

・小笠原諸島(東京都)

小笠原には第二次世界大戦時に沈んだ船が点在しており、今では豊かな生態系を育む漁礁となっています。

浅い場所の船は崩れてしまい原型をとどめていないものもありますが、中には当時の姿を残すものもあり、本格的なレックダイビングが楽しめるおすすめスポットです。

 

・熱海(静岡県)

砂を運ぶ砂利運搬船が折れ曲がりそのまま沈んだため、今では人気のレックダイビングスポットです。

水深がやや深めで上級者向けではありますが、全長81mと国内最大級の沈船は周囲に群れる魚影やソフトコーラルなどが群生したカラフルな船体など、とても見応えがあります。

 

・南紀白浜(和歌山県)

多くの生物に出会える巨大な漁礁になっている、人工的に沈められた船があります。

水深が浅いので初心者にもおすすめですし、沈船利用券を購入すれば船内探索も可能です。

周囲にはアジやイサキ、内部にはキンメモドキやネンブツダイなどの群れを間近に見られます。

 

・宮古島(沖縄県)

伊良部大橋の完成と共に、その役目を終えたカーフェリーが漁礁として沈められました。

カーフェリーなので開口部が広く、また、レックダイビングスポットとしては新しく崩れる心配もないため、船体内部に入れます。

船内にはイソバナやキサンゴといったカラフルなサンゴが群生し、ハナミノカサゴやツバメウオ、キンギョハナダイなど様々な生物が棲み家にしており、とても賑やかです。

人に慣れた様子の魚も多く、間近で触れ合えますし、運が良ければナースシャークやコブシメなどにも会えるかもしれません。

 

 

■レックダイビングの注意点

 

水深の浅い初心者向けのスポットもありますが、中には中級者・上級者向けの流れが速いような危険なスポットもあるのでガイドの指示には必ず従いましょう。

潜降・浮上がスムーズにできる、中性浮力がちゃんと取れるなど、ある程度のダイビングスキルがあることが望ましいです。

また、水深の浅いところや明るいところでも、同行者やガイドから認識されやすくなるので水中ライトの常備をおすすめします。

沈船はもろく崩れやすくなっているので、うっかりフィンで蹴り上げるなどして傷付けたり衝撃を与えたりしないように注意しましょう

 

 

今回は、海底に沈んだ船や飛行機などの周りを潜る、レックダイビングの楽しみ方や日本国内でのおすすめダイビングポイントをご紹介しました。

冒険心をかき立てられるレックダイビング、ぜひ体験してみてください。

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