ダイビング未経験者を対象に行われる「体験ダイビング」は、ダイバーライセンスが不要なので、誰でも参加できることが大きな魅力です。
しかし海の中で初めての体験をするため、パニックになる人も少なくありません。
体験ダイビング後も不安や恐怖が払拭できず、ダイビングを楽しめなくなるのは大変もったいないことです。
そうならないためにも、パニックになってしまう原因と実際にパニックになった時の対処法についてご紹介していきましょう。
■ダイビングでパニックになってしまう原因
パニックになる原因は人によって様々ですが、その原因の背景にはストレスが存在します。
海という大自然の中で初めての体験をすることで大きなストレスが生まれ、思わぬ事態を引き起こしてしまうのです。
ダイビングでの主なストレスは2つあり、自分が抱えているストレスが分かればパニックになることもありません。
ここでは2つのストレスについてご紹介するので、きちんと理解しましょう。
・精神的ストレス
体験ダイビングは泳ぎが苦手な人でも楽しめますが、「泳げる・泳げない」の前に「水が怖い」という水への恐怖心を持つ人がいます。
水が怖い理由は、「足が付かないから」、「目を開けられないから」など、人によって様々です。
水に顔を付けるのが怖い人は体験ダイビングでマスクをしていても、マスクの隙間から水が入っただけでパニックになり、恐怖心がさらに増してしまいます。
また、ダイビング中は専用のマスクをするため、視界が陸上よりも極端に狭くなります。
視界が狭くなることにより死角が生まれ、水に対する恐怖が増すのでパニックの原因となってしまうのです。
・物理的ストレス
海水が冷たいと体感温度も低くなり、寒く感じます。
また、海の中は水圧が存在しており、水圧に慣れていない体にとって潜ること自体がストレスになります。
加えてダイビングの器材であるレギュレーターでの呼吸が上手くできなかったり、マスククリアがうまくいかなかったりと、器材がストレスを与えることもあります。
■パニックにならないための対策方法
パニックに陥らないためにも、ストレスの対処法を事前に知っておきましょう。
ダイビング中に起こるパニックは、スキルを磨いて危機管理をきちんとすれば、未然に防ぐことが可能です。
ダイビングする前に、イメージトレーニングや練習を行いましょう。
ここでは先ほど紹介した2つのストレスに対する対処法をご紹介します。
・精神的ストレスの対処法
水への恐怖心からくるため、まずは水に顔を付ける練習からしましょう。
水の中に顔をつけられたら徐々に目を開ける練習をし、一度顔を上げて呼吸を整えてから再び顔を付けるのを繰り返すと、少しずつではありますが水への恐怖心がなくなります。
・物理的ストレスへの対処法
水圧に慣れていない場合や体感温度が低くなり寒くなる場合には、プールに入った時にいつもより深く潜ることを意識してみましょう。
水中は深いところに行くほど水温が下がり、水圧は上がります。
その感覚に慣れてくるとストレスとして感じなくなるでしょう。
マスククリアやレギュレーターでの呼吸が上手くできない場合は、鼻を摘まんで口呼吸する練習をしましょう。
息を吐くことに意識を集中させると自然に息が吸えるので、器材をうまく使いこなせるようになります。
上記の他にも、安心できる環境と人を選ぶと良いでしょう。
馴染みのない場所で急にダイビングすることは、誰しも不安を抱いてしまうものです。
体験ダイビングを楽しむために、自分が安心できる人や土地・環境を選びましょう。
初めてのダイビングは初体験ばかりでワクワクしますが、パニックになりやすいことも確かです。
パニックにならないためにも、水や水圧に慣れてストレスを極力なくすことが大切なので、自分のストレスはどれに当てはまるのか、きちんと理解しておきましょう。
また、ハンドサインを覚えておくとインストラクターに状況をすぐに伝えられるので、覚えておいてください。