ダイビングでいざという時にダイバーの命を守ってくれたり、ダイバー同士のコミュニケーションを取ったりする時に使う道具に、ダイビングナイフがあります。

潜る際に必要とされるアイテムですが、平成21年1月5日に銃刀法が改正されてからは、一部のダイビングナイフが規制の対象となりました。

そこで今回は、銃刀法の改正内容と規制対象についてご紹介しましょう。

 

 

■ダイビングナイフの役割

 

ダイビングナイフとは、潜水中に漂流する網や海藻などが体に絡みついた時、脱出のために使う刃物です。

ブレード部分は防水性のあるステンレスかチタン、柄は樹脂製なのでグローブを付けたままでも握りやすい工夫がされています。

柄の先に金属などがついているものあり、声の出せない水中で石を叩くなどして、ダイバー間のコミュニケーション時にも使用可能です。

他にも、ダイビング時に魚に餌をあげる時に切り分けたりするのにも使われます。

また、海底に起伏がなく、流れが速いような場所では、スキーのストックのように海底に刺し、その場に静止できるようにします。

フィンで海底の砂を巻き上げないように海底近くを進む時も海底に刺し、ストックのように使って前進・後退が可能です。

ダイビング中に必要のない時は基本的には利き手側脛の内側に着けますが、人によってはBCにくくりつけたり、腕にベルトを巻いてつけたりと装備方法は様々です。

 

 

■銃刀法はどう変わった?

ダイビングナイフ

平成20年6月8日に起きた秋葉原通り魔事件などの影響を受け、銃刀法が平成21年1月5日に改正されました。

主な改正の内容は、「刃渡り5.5㎝以上の剣の原則所持禁止」という規制が新たに盛り込まれました。

この法改正によって、牡蠣の殻剥きに使われていたナイフなど今までの生活で使われていた一部のものが規制の対象となっています。

また、ダイビングナイフはダイニングをする時以外の所持は原則禁止なので、規制だけではなくその点も頭に入れておきましょう。

 

 

■規制対象のダイビングナイフ

規制

規制対象のダイビングナイフは刃渡りが5.5㎝以上、諸刃(剣のように左右対称の刃がついているもの)での先端が尖っているものです。

この形状のダイビングナイフは所持が禁止されており、所持しているだけで違法(3年以下の懲役または50万円以下の罰金)になります。

銃刀法改正後の平成21年7月4日までに規制対象のダイビングナイフは、破棄や輸出などの処置をしなければなりませんでした。

現在も規制対象のナイフを持っている場合は、最寄りの警察署で処分をお願いしましょう。

この規制対象外のダイビングナイフ(片刃のもの、諸刃であっても先の尖っていないもの)は規制の対象外となるので、そのまま所持可能です。

現在発売されているダイビングナイフは、先端がとがっていても片刃のものや、諸刃のものでも先端が平たい形になっているものが販売されています。

規制対象外のダイビングナイフであっても運搬の際にはダイビングの道具と一緒にダイビングバックなどに入れなければ運搬はできません。

仮に車の助手席に置いていたり、ポケットの中に入れていたりして、持っているところを警察の検問などで見つかった場合、軽犯罪法違反もしくは銃刀法違反で罰せられます。

また、ダイビングバックなどに入れていても、ダイバー以外の持ち出しは銃刀法違反と疑われる可能性があるので気を付けてください。

 

 

ダイビングナイフは潜水中の護身に欠かせませんが、所持にあたり銃刀法について理解しなければなりません。

改正前に購入したという方は、規制対象ではないか確かめてみましょう。

もし規制対象であれば、速やかに警察署で処分してもらってください。

ダイビング時以外に所持しないなど、取り扱いに注意して海の世界を楽しみましょう。