ダイビング中に漂流する網や海藻などに拘束され、緊急事態に陥った際に力になってくれるのがダイビングナイフです。

拘束していた網を切り離して脱出できれば、事なきを得られます。

しかし、普段の使い方が悪く、切れ味が失われていて、緊急事態の時に使えなかったら意味がありません。

今回はダイビングナイフの切れ味を失わない使い方をご説明します。

 

 

■ダイビングナイフを使う面

ダイビングナイフ

ダイビングの際にダイビングナイフを使うのは主にどんな場面が考えられるでしょうか?

用途と一緒に見てみていきます。

 

・拘束を切る

漂流してきた網や海藻が生い茂っているところで足や体が拘束された時、網や海藻を切断して拘束を解く場合に使います。

 

・餌を切り分ける

ダイビング中に魚に与える餌を切り分ける際に使われます。

 

・ダイバーとのコミュニケーション

ナイフの柄やつばを使って仲間のダイバーのタンクや石を叩きます。

それによって注意を促したり、緊急事態を知らせたりできます。

 

・推進、後退、静止の補助

砂地で潮の流れが速い場合、ナイフを逆手にもって砂に突き刺して引き引き寄せることで前進します。

逆に押し押し出せば、後退が可能です。

突き刺したナイフに捕まることで安全に静止でき、泳ぎによる静止より体力の消耗を軽減できます。

 

・距離の測定

地面につき刺したナイフを引き寄せる行動を何回したかによって、目標物までの距離を測ります。

これを行うためには事前に自分が1回でどのくらい進むかを知っておく必要があります。

 

主にダイビングナイフを使う時にはこのような場合が考えられます。

ダイバーのタンクを叩く際に、柄ではなく刃の方で叩いてしまうと刃こぼれし、切れ味を失う原因になる可能性があります。

また、地面に突き刺す使い方はナイフの刃を痛めてしまうので、それも切れ味を失わせる原因です。

 

 

■切れ味を失わないために

ダイビングナイフ 切れ味

突然の緊急事態にパニックになり刃でダイバーのタンクをたたいて合図を出した、潮の流れが速く、仕方なく地面に刺して姿勢を保たなければならないときもあるでしょう。

こういった事態の他にも普段のお手入れを怠っていると、いくら錆びに強い素材でも錆びて切れ味が落ちてしまうことがあります。

普段からしっかりとお手入れをしていれば、切れ味を落としにくくなります。

 

・ダイビング後のお手入れ

使用した後はそのままにしておくと塩がついてしまうので、ナイフとシース水洗いを行います。

そのあとは陰干しで干しましょう。

干さないでシースに戻すのは錆びの原因になります。

 

・帰宅後のお手入れ

洗面器などに水を張りナイフとシーフをつけ、完全に塩が抜けたら、濡れタオルなどで水洗いをしましょう。

乾かす時間がなかなか取れない時は、ナイフ本体だけはヘアドライヤーなどを使っても大丈夫です。

乾燥した後はブレード部分にさび止めのオイルなどを塗り、軽くふき取って終了です。

シーフに塩が残っている可能性があるので、しばらく使わない場合は、アルミホイルなどでブレード部分を覆い、シーフと分けて保管しましょう。

 

・錆びてしまった場合

錆びの程度が軽い場合は金属用の研磨剤やクレンザーなどで磨くと落とせます。

錆がある程度酷くてもサンドペーパーなどを使うと綺麗に落とせます。

錆落としはやりすぎるとはブレードを傷めるので、終わったら研いでおきましょう。

 

ナイフが分解できるものの場合は、さらに分解して各部品の洗浄を行いましょう。

 

 

ダイビングナイフの切れ味を失わない使い方を説明しました。

ナイフの錆びやすさは材質が関わっており、ダイビングナイフは基本的に防錆性のある材質を使用しています。

しかし、だからと言って完全に錆を防げるわけではありません。

しっかりとお手入れをすればナイフの寿命は延びます。

定期的なお手入れをすることが切れ味を失わない一番の方法です。