西太平洋に広く分布している回遊性の魚であるグルクマは、主に鹿児島県の諸島部と沖縄県で流通している魚です。
他の県ではほとんど手に入らないグルクマは、ダイビングなどで沖縄の訪れた際に味わうことができます。
今回は沖縄に生息するグルクマの特徴や生態に関してご紹介します。
沖縄に訪れる前に知っておくと、よりダイビングが楽しめるでしょう。
■グルクマとはどんな魚?
グルクマはスズキ目サバ科の海産魚です。
沖縄では以前から「グルクマ」または「グルクマー」と呼ばれていますが、和名である「アキフラキア」と呼ばれていた時期もあります。
現在は、グルクマと呼ばれることが一般的になっています。
サバに似ているグルクマは、南日本からインド洋周辺にかけて分布している魚で、インド洋周辺では貴重な食用魚とされていますが、日本では鹿児島県諸島部と沖縄県での流通が主流です。
沖縄では、真サバやゴマサバが釣れない代わりにグルクマを釣ることが多く、サバ科なのでサバと同様の調理方法で食されています。
大きな群れを作って回遊するグルクマは、表層に近い部分に生息する生態があり、サバに近い魚ですが鋤骨と口蓋骨に歯がなく、エラの咽頭側にある突起が長いのが特徴です。
食欲旺盛なグルクマは、プランクトンや小魚を主なエサとしており、大きく開く口で海水も同時に取り込み、プランクトンだけが残るようにエラで濾して食べる特徴もあります。
大きいグルクマは体長40㎝程まで成長しますが、サバに比べると少し小柄です。
■グルクマの調理方法
サバと生態が似ているグルクマは、サバに味が似ていることからサバと同じ調理方法で食べられています。
主なグルクマの調理方法をご紹介します。
・焼き霜造り
皮と身の間に風味や旨味のあるグルクマは、皮を剥かずに焼き霜造りにするのがおすすめです。
皮をあぶったら冷凍庫であら熱を取り、刺身と同じように切ります。
・刺身
サバと似ているグルクマですが、サバと同じように足が早い食材です。
そのため本当に鮮度の良い状態の場合のみ、刺身で食すことができます。
水洗いをして三枚下ろしにして、皮を引いてから切ります。
特に9月~10月にかけては、脂が乗っているためおいしい時期と言われています。
・塩焼き
最も一般的なグルクマの調理法である塩焼きは、二枚に下ろしてから骨の方に塩を振って一晩寝かせてから焼きます。
・竜田揚げ
グルクマの独特の味が苦手な場合、竜田揚げでもおいしく食べられます。
下味をつけたグルクマに片栗粉をまぶして油で揚げると、グルクマ独特のクセを感じにくくなるのでおすすめです。
・煮つけ
日本の魚料理の定番である煮つけは、グルクマに限らずどの魚でも美味しく食べられます。
醤油や味噌など幅広い味付けが可能であり、グルクマ独特のクセや臭みも感じにくくなるでしょう。
■沖縄のダイビングならグルクマに遭遇する
ダイビングスポットである沖縄では、夏の終わりから秋にかけてのダイビングでグルクマの群れに遭遇することがあります。
群れで回遊するグルクマは、表層に近い部分に生息する生態を持っているため、水深3mくらいの場所でも確認できるのが特徴です。
形を変えながら高速で回遊していくグルクマは、大きな口を開けて泳いでいるため怖いと感じるかもしれません。
しかし、沖縄でのダイビングでしか遭遇できないため、貴重な経験となることは確実でしょう。
澄んだ海にキラキラ光るグルクマの群れは、海の中の動く宝石とも呼ばれています。
沖縄を中心に生息するグルクマはサバに似ているのが特徴であり、沖縄でダイビングを行う際に遭遇できる魚です。
大きな口を開けて高速で捕食する姿は、驚きを感じると思いますが、生態系を知る貴重な瞬間にもなるでしょう。
沖縄でダイビングする際には、グルクマに遭遇しやすい夏の終わりから秋にかけてのシーズンがおすすめです。