ダイビング中に、突然頭や耳の内部に痛みを生じたことはありませんか?

この痛みは「リバースブロック」によるもので、何も知らない初心者に症状が表れてしまうとパニックになり、事故の原因にもなってしまう恐ろしいものです。

パニックにならないためにも、リバースブロックについて予め理解しておく必要があります。

今回は、リバースブロックとはどういう現象なのか、また起きた時の対処法や未然に防ぐ方法について解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

 

 

■体内の圧力差により起こるリバースブロック

リバースブロック 耳抜き

リバースブロックとは、体内の圧力が周囲の圧力よりも高くなった時に生じる痛みや不快感のことを言います。

通常水中の深い場所から浮上すると、体内の空気は膨張し自然と体外へ排出されるようにできています。

しかし、耳抜きがきちんとできていない場合や風邪を引いている場合などの状態でダイビングすると、体外へ空気が排出されずリバースブロックが起きるのです。

体内外の空気の圧力差により、耳や副鼻腔に痛みが生じてしまいます。

主にリバースブロックが起きる場所は、耳と副鼻腔です。

起こる場所によってリバースブロックの特徴や痛みを生じる場所が異なるので、きちんと把握しておきましょう。

 

・耳のリバースブロック

ダイビング中に耳抜きができないと、耳管内の空気の圧力と水圧に差が生じます。

この圧力の差が耳管の負担になり、負担がかかり続けていると耳管が腫れて炎症が起きます。

炎症を起こすと、耳の奥の空気排出がされず鼓膜を外側に圧迫し、めまいや難聴、耳閉感といった症状が起きてしまいます。

 

・副鼻腔のリバースブロック

通常鼻は圧平衡が自然とできているため、何か行動をする必要はありません。

しかし風邪やアレルギー性鼻炎などの症状があると、鼻の奥の粘膜が腫れて空気の排出が悪くなります。

その状態で無理に耳抜きをすると、鼻腔付近で空気の圧迫が起こり痛みを生じてしまうのです。

さらに、体内の空洞(前頭部・頬・額)に痛みを生じたり、ダイビング後に顔に違和感が出たり、疼きを感じたりすることもあります。

 

耳や鼻以外にも、胃腸や歯に痛みを生じることがあります。

リバースブロックが起こった時に無理に浮上すると、空気の圧力の影響で耳からパキパキと音が鳴ったり、鼻血が出たりしてダイビングを続行できなくなってしまう可能性が高いです。

 

 

■ダイビング中にリバースブロックが起きた時はどうすべき?

ダイビング リバースブロック

リバースブロックが起きたら、まず同行しているガイドに伝えましょう。

そしてガイドの指示に従いながら痛みを感じなくなる深さまで潜降し、耳抜きをしながらゆっくりと浮上します。

その時に通常の耳抜きをしたり、顎を動かしてみたりと様々な耳抜きの方法を試し、空気の排出を促しましょう。

例え痛みが激しい場合でも、極力ゆっくりと落ち着いて浮上します。

浮上速度が遅いとエアーがなくなる可能性もあるので、エアーがきちんと残っているかガイドに確認してもらいます。

また、ダイビング終了後に違和感が残っている時はガイドに伝え、耳の中や副鼻腔の炎症を抑える薬を服用するのも良いでしょう。

 

 

■リバースブロックを防ぐ方法

 

・きちんと耳抜きをする

・耳抜きができているか確認する

・ダイビング中に無理やり潜降しない

・潜降中に違和感が出たらダイビングを中止する

 

リバースブロックを防ぐためには、まず耳抜きをきちんと行いましょう。

耳抜き不良によるリバースブロックはよく起こります。

耳抜きしやすくするために、ガムを噛んだり顎を動かしたりと工夫をしましょう。

水中でもこまめに耳抜きをすると、リバースブロックは起こりにくくなります。

 

 

リバースブロックを起こさないためにも、ダイビングの基本である耳抜きをきちんと行いましょう。

「耳抜きできないから」、「耳抜きしなくてもダイビングできるから」という安易な考えは、大変危険です。

安全にダイビングをするためにも、事前に防ぐ方法や対処法をきちんと理解し、楽しく潜りましょう。