ダイビングナイフは、海中に潜る際には持っていなければいけないアイテムです。
時々、「必要ないから置いていこうかな」という方が見受けられますが、その判断は大きな間違いと言えます。
しかし、どこにナイフを装着しておけばいいのか分からない方も少なくありません。
誤った場所に装着してしまうと、いざという時に使いにくかったり、かえって危険な目に遭ったりする場合もあるでしょう。
そこで今回、ダイビングナイフの正しい装着位置についてご紹介します。
緊急時に備えて、ダイビングナイフの適切な位置を把握しておきましょう。
■ダイビングナイフとは
ダイビングナイフは、海中に潜る際に必須の道具です。
普段は使うことがないため、いつも持っているだけで終わる方も多いと思いますが、緊急時に携帯していないと命を落とす可能性があります。
ナイフの素材は、ステンレスやチタンといったサビに強い素材で作られています。
近年はさらにサビに強い素材が各メーカーから続々と発売されているので、チェックしてみると良いでしょう。
持ち手は刃よりも浮力が高く、中世浮力を維持しやすいように設計されています。
刃の形状によって使う用途が違ってくるため、どのようなナイフを選ぶかは重要です。
■正しい装着位置
ナイフの正しい装着位置は、利き手側のひざ下内側です。
例えば、右手が利き手の人なら右のひざ下内側に装着します。
単純に装着しただけでは、ひざに柄尻が当たって邪魔になることがあるため、その場合には適宜調整してください。
内側が正しい装着位置というと、「外側の方が簡単に脱着できそう」と思う方もいますが、意外と難しいものです。
仮に右手が利き手だとして、右ひざの外側に装着したとします。
右手が自由な状態であれば問題ありませんが、海中で右手が動かせない状況になったらどうでしょうか?
きっと左手では、ナイフに手が届かないはずです。
その点、内側に装着しておくと、万が一の事態になっても右手、左手のどちらでもナイフを引き出すことができます。
器用な方であれば外側に装着しても、逆の手でナイフを引き出せるかもしれませんが、今度は収納できるかどうかの問題が発生します。
結果的に外側装着の場合、ダイバーの体に負担がかかるため、内側への装着がベストです。
■ナイフの使い道
ナイフは、海中における緊急時に使用します。
使用する場面は、主に以下の2つです。
・水中で身動きが取れない
海藻や釣り糸などが引っかかって、身動きが取れなくなった時に使用します。
身動きが取れなくなるようなことはレアケースと言えますが、可能性はゼロではありません。
このような状況では、動きを妨げている障害物をナイフで切って脱出します。
水中で身動きが取れなくなった時に大切なのは、落ち着くことです。
パニックを起こすと危険度は高まるため、まずは落ち着いて「何に絡まっているのか」を確認しましょう。
・通信手段として使う
もう一つは、バディとの通信手段としての活用です。
海中では不測の事態が起こったとしても、他の人が気づかない可能性もあります。
バディが助けにこないと思ったら、ナイフでタンクをたたきましょう。
カンカンと鳴り響く音をきっかけに、近くに来てくれるはずです。
身動きが取れない場合の多くはタンクバルブが原因となっているため、背中の見えない部分はバディに確認してもらいましょう。
■使用前の確認も重要
潜る前には、ナイフの状態もしっかり見ておきます。
着脱がスムーズに行われるか、サビの付着はないかなどを丁寧に調べましょう。
破損や異常がある場合には、修理や交換に出して適切な状態を保つようにしてください。
ダイビングナイフは、海中で携帯しておくべき道具です。
身動きが取れないなどの緊急時に使用して、障害物を切ったり、バディに助けを呼んだりします。
普段使っていなくても、海に潜る時は忘れずに持つようにしましょう。