こんにちは!店主です。

今日はかなりニッチなスタイルのご紹介です。BIGHOLIDAYはスキルレベルと好みでチーム分けをさせてもらいます。条件良く上級者、ヘビーリピーターが集まった時にご案内させてもらっているダイビングスタイルで、初心者、中級者の方にはオススメできません!笑

まずは宮古島らしさを感じてもらうことが一番です!ですが、酸いも甘いも経験している上級者、何度かそのポイントを潜っているリピーターの方に刺激をプレゼントさせてもらうための特別な潜り方です。是非参考にしてくださいね。気になる方はたくさん通ってガンガン行きましょー!

上級者の定義

まずはこのスタイルで潜る上で上級者の定義が必要ですね。ざっくりいきます。

  1. 経験本数200本以上
  2. 中性浮力が取れる
  3. ダイブコンピューターを持っている
  4. 自分のことはすべて自分で出来る

ファンダイビングの場数をたくさん踏んで身に付ける事ができる「適応力」。これを持っていることが上級者である条件となりますダイビングスタイルはエリアごと、ショップごとに環境なども含め少しずつ違いますが、色々なショップで潜ることによって上手く立ち回る手段が身につき、ストレスとも上手に付き合うことができる。これこそが上級者の定義なのかもしれません。

上級者の潜り方と哲学

オールマイティに超絶上手な必要はなく、例えば『自分はエアをやや多めに消費するタイプだから水深を浅めにして付いていこう』とか、『私はエア持ちはかなり良いタイプなので深めで遊ぶけど無減圧時間だけはよくチェックしておこう』という感じで己を知り上手に立ち回ることが大事ですね。

深度&残圧&無減圧、全てにおいて自己管理

例えば『現在潜り始めて20分でちょうど折り返し地点。残圧100。ちょっと使いすぎたから帰りは節約して泳いで行こう!』という感じで自分で調整したり修正する能力も上級者には必要。ちなみに上級者はエアが不安になると直ちにガイドに申告します。

これは予防線を自ら張る行為で、そうすればガイドがコースや時間などを修正してくれることを知っているからです。そういう意味では自分のことだけではなくガイドともうまく状況をすり合わせながら潜れる事も大切な事ですね。

メリハリを持たせる超効率的スタイル

例え話です。アントニオガウディMAX-35mの大深度潜水。

ここで注目すべきは一番の見所がどの程度の水深なのかという事。-35mだと無減圧時間は1DIVE目でも8分前後でベストポジションに着底したり、周りとの距離を微調整したりしてると実質の滞在時間は約3分。

この3分を”1分”でも”30秒”でも伸ばすために、-35mまでの行き道中の水深を抑える必要があります。具体的には窒素を溜めないために安全停止以浅、つまり水深5m以内で移動します。メインの穴が真下に来たところで一気に潜降。これでより-35mでの無減圧時間を稼げるのです。

そしてギリギリまで時間を使い、無減圧時間残り1〜2分程度でスッと水深を上げ始めます。無減圧時間を超えると身体に悪い、そして減圧停止により周りの人にも迷惑をかける事を知っている為、上級者はここを絶対に外しません。

そして上記を読んでみてリアリティを感じているあなたは紛れもない上級者です。

1DIVEごとに明確なテーマを設ける

前項のアントニオガウディの-35mのメインのようにをテーマに設定したりする事です。レーザービームのポイントでは他のチームに迷惑をかけない範囲でレーザービームに張り付いて最高の一枚を狙ったり、大物ポイントではその大物だけにフォーカスを当てて時間を使ったり。

上級者はあれもこれもというスタイルではなく、そのポイントでの一番に興味が注がれます。また、目的も明確でスキルは問題ないので リクエストも海況が許せばかなり通りやすいです。

伸るか反るか

レーザービームのポイントで曇ってしまったとしたら。迷わず待ちます。確率50%の大物を狙いに行くか行かないか。もちろん行きます。結果晴れなかったとしても、大物を外したとしても、良いのです。経験豊富な上級者はそのダイビングにアベレージを求めず心揺さぶられるような感動を求めているから。

外してたとしてもそれも含めて海なんだという事を知っています。もちろんアベレージも大切です。特に初心者の方や初めての宮古島、中級者の方にはまずアベレージの宮古島らしさを体験してもらう事がすでに心揺さぶられるような感動に繋がるからです。レベルや経験に合わせる事が上手な楽しみ方ですね。

カメラの設定お伝えします

上級者は自分のカメラを使いこなしているので必要以上のアドバイスはしないようにしています。ですが宮古島特有のシチュエーションなどでは、少ないチャンスで良い写真をものにできるようピンポイントでアドバイスをさせてもらいます。例えば洞窟の中でサメの写真を撮る時は、

ハレーションを起こさないように直前でストロボの角度を微調整しておく事、またライトを使う場合はブレやすいのでシャッタースピードは最低でも1/160、ISO感度は最低1000。洞窟奥の青を入れたい場合は感度と露出はさらに上げてください。
という感じです。これだけで一発でモノにする方も結構いますが、凄いなあと思わずいつも感心してしまいます。

地形 もう一つの側面

これから紹介するポイントの説明は”上級者”に向けたもので通常は取らないコース取りや条件を含めて書いています。ですがこれらのポイントは上級者でなくても楽しめますのでどうぞご安心くださいね。通常のポイント紹介は 必見!宮古島ダイビングポイントとシーズン解説を徹底大公開よりご覧下さい。

伊良部島方面

 

L字アーチ

0

水深(m)
35%
流れ
70%
メリハリ
100%
L字アーチの下
-35mの水底からアーチを見上げるためには必須事項が二つ。その日の1DIVE目である事と、行き道中は水深5m以内をキープする事。またアーチ外はドロップオフが広がっていて大物が出やすいので外を流してからアーチの下に行きたい。


 

サージョンリーフ

0

水深(m)
30%
流れ
70%
メリハリ
60%
マダラトビエイ

魚群、大物を狙いに行く。マダラトビエイが高確率で見れる貴重なポイント。主に中層を泳ぎ大物が下に出た時だけ水深を落とす程度。とにかく距離を泳ぐので深度管理は必須。


 

白鳥ホール

0

水深(m)
5%
流れ
20%
メリハリ
20%
白鳥ホール
難易度は低く初心者でも十分楽しめるが、写真に熱がないと正直間が持たない。上級者チームは他チームに迷惑のかからない範囲で可能な限りレーザービームに張り付く。運が良ければ1DIVE丸々ここで完結する。

下地島方面

 

通り池

0

水深(m)
40%
流れ
80%
メリハリ
100%
通り池
スペシャルチームは敢えて池には浮上せず、2色の池の色を写真に収めるべく様々なポジショニングで試しながら移動する。各自深度、残圧、無減圧の管理は必須。普段は水深40mは取らないが一番下から見上げる通り池はどのポイントより壮大だ。


 

一の瀬ホール

0

水深(m)
30%
流れ
10%
メリハリ
100%
一の瀬ホール
ここのポイントも深い場所が見どころになるので残圧管理、無減圧管理がシビアになる。船下に洞窟が広がっていて移動距離がほとんどないので最深部からの浮上時はほぼ垂直に上がっていくため浮上速度のコントロールが必須。


 

本ドロップ

0

水深(m)
35%
流れ
90%
メリハリ
100%
ロウニンアジ
普段は水深5?10mでロウニンアジが見られるが浅場にいない時は深場へ一気に水深を落とし35m前後のクリーニングステーションを捜索する。垂直なドロップオフでの先行浮上に加え時に流れがかなりきつくなるので上級者でなければ深場へは降りられない。


 

パナタ

0

水深(m)
25%
流れ
120%
メリハリ
100%
パナタ
文句なしのスーパー上級ポイント。強烈な流れの中、ギンガメアジに並泳わけだが水深を上げたり落としたりするのでその対応に追われる。流れは体力も残圧も時として冷静な判断力さえも奪ってゆくので経験値で対応したい。圧倒的海外級スケールの隠れた名ポイント。

上級者には特権と責任の二つをプレゼント

BIGHOLIDAYでは経験本数の多いグループから順に洞窟にエントリーして行きます。

なぜ?

それは中性浮力をまだマスターしていない初心者の方はどうしても沈み気味で水底の砂の『巻き上げ』を起してしまうから。でも、そこに初心者だから後から入るのは仕方がないという考え方では決してありません。

なぜ?

直前ブリーフィングの段階で 濁りを起さず潜れる上級者にも特別に配慮をお願いするからです。先に入る上級者の方には『一番良い状態で見れる』という【特権】と、『限りなく綺麗な状態を残す』という【責任】の二つをプレゼント。すべてはBIGHOLIDAYチーム全員がより良い状態で素晴らしい地形を楽しんで頂くため。

まとめ

以上、上級者とヘビーリピーターに向けたちょっと過激でワクワクするダイビングスタイルの紹介でした。ダイビングってストレスとの闘いですよね。上手くストレスを取り除けられれば、あとは思いっきり楽しさだけ!その点においては“どれだけ適応できるか”というのは上級者とイコールの関係なんです。

適応すればするほど余裕が出てきて自分の好きなダイビングスタイルも自ずと見えてきます。そうなるとますます楽しい!そして上級者とはスキルが上手なだけではなくて他者へのちょっとした気遣いもできる人を指すのではないでしょうか。ダイビングは思いやりのスポーツ。

みんなで楽しみに行きましょう!
ありがとうございました。

 

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