ダイビングのインストラクターには最初に取得できるダイブマスターから始まり、世界中のプロダイバーの1%にも数を満たない最上位のコース・ディレクターまで全部で7つのランクに分かれています。
そのなかでマスター・インストラクターは6つ目にあたり、資格取得者は日々スキルアップに励み、情報をアップデートし、多くの経験と知識を持った上級インストラクターと言えます。
今回は、そんなPADIマスター・インストラクターの担う役割やの資格取得の方法についてご紹介していきましょう。
■マスター・インストラクターとは
インストラクターと言っても、経験や活動量には個人差があり資格取得後にダイビングから遠ざかってしまったり、スキルアップを怠ったり、情報更新ができていない場合もあるため、全てのインストラクターが経験、知識ともに豊富と一概には言えないのが現状です。
7つのランクのうち、6つ目にあたるマスター・インストラクターとはPADIのダイバー教育システムを熟知し、全てのコースとプログラムの実施経験があるインストラクターが得られる資格で、引率者のなかでもプロ中のプロと言えます。
常に学び続けなければ得られない資格のため、取得すれば就職などにも有利となり、最上ランクのPADIコース・ディレクターを目指すならば、必ず取得しなければならない資格の一つでもあります。
ダイビングの講習やツアーの引率も、マスター・インストラクターが担当してくれるなら心強いですし、安心感があるでしょう。
■PADIマスター・インストラクターになるとできること
アシスタント・インストラクター・コースは単独で実施可能ですが(5スター以上の店舗内でのみ実施可能)、インストラクター開発コース(IDC)ではコース・ディレクター監督のもとで一部を担当することや、インストラクター・レベルの継続教育プログラムを行うIDCスタッフをアシストすることができます。
そのほかにも、インストラクター試験(IE)のオリエンテーションやクロージングに参加するなど、今まで培った知識と経験をもとにインストラクター候補生などの講習やトレーニングをし、ダイバーの更なる育成を行います。
また、インストラクター候補生、IDCスタッフ候補生の知識開発やカウンセリング、補修トレーニングを行うほか、講習プレゼンテーションの講評を実施することになります。
■PADIマスター・インストラクターの認定を受けるには
- オープンウォータースクーバインストラクター(OWSI)に認定されて2年以上経っている。
- PADIのセミナーやアップデートに3回以上出席している。
- 資格更新済みでティーチング・ステータスである。
- 資格更新済みのエマージェンシー・ファースト・レスポンス(EFR)インストラクターである。
- インストラクター・マニュアルに記載されたランク別認定数を満たす150名以上の生徒ダイバーを認定している。
- 10名以上にEFR修了カードを発行している。
- その他インストラクター・マニュアルに記載された条件を満たしている。
以上の条件を満たしたうえで、資格申請書をPADIオフィスに提出することで認定を受けることができます。
ダイバーの認定や修了カードの発行について人数が満たない場合は、クリアするまで継続できるコースを設定しているダイビングショップもあるので確認してみましょう。
今回は、PADIマスター・インストラクターの担う役割や資格取得の方法についてご紹介しました。
ダイバーを教育する立場になるため、厳しい条件を満たさなければ得ることのできないマスター・インストラクターの資格ですが、資格に関わらず、多くの経験と知識は海に潜るダイバーには必要なものです。
ステップアップやキャリアアップ、またダイバーとして成長できるマスター・インストラクターにぜひ挑戦してみてください。