先日4月9日、10日の二日間で熊本天草にるんるん気分で旅行に視察に行ってきました。宮古島から那覇、那覇から福岡、福岡から天草と計3回飛行機に乗りまして、自慢のカモシカのような足は見るも無残にパンパンです。

エコノミー症候群店主トッティです。飛行機は断然靴下を脱ぐ派です。

本題に入る前に、新造船と同じくらい楽しみにしていた”桜”の様子。最近のゲストさまたちに聞いていまして、今年は時期が早かったらしく、関東ではもう終わっていたということで、

やるせない思いで天草を車窓から眺めているとホテルの近くに、、、

熊本の桜

!!!!!!?

あのピンクのって、もしかして?いやいや、そんなミラクルないでしょ。関東で終わってるのに九州でまだ咲いているなんて。でも絶対なんてないし、神様からの新造船祝いかもしれないし、

なんて考えながら歩を進め、恐る恐る見てみると、えっ?綺麗だけどなんか違う。なんか違うよ。

熊本の八重桜

その場で『牡丹のような桜』とググってみるとどうやら”八重桜”というらしい。

ということで完全に見れないと思っていた桜は、品種違いで見ることができたという微妙な結果でした。でもいいんです。綺麗でしたし、知らなかった桜の名前も覚えられたし、”桜”見れたし!!

小さな幸せGET!幸先良し。

気を取り直して、新造船編に入りたいと思います。

造船所の紹介

九州は造船業が盛んでかなりの数の造船所があるみたいです。BIGHOLIDAY艇はヤンマーの下請けにあたる熊本県天草市の『浜本造船所』で造船してもらっています。

なんか地図を見てるだけでワクワクしてきますね。北海道人のボクが驚くほど魚の旨い海に面しています。

内湾にはイルカの群れが200頭ほど生息していて、ドルフィンウォッチングが盛ん。次回はなんとか時間を捻出できるよう頑張ろう。九州旅行の機会があれば是非!

造船所はのどかな漁村の一角にあり、漁船がたくさん並んでいます。こういう景色、癒されるな〜。とてものんびりしていて良いところ!

浜本造船所は職人さんが10名体制で、最大3艇を同時進行で造っていくそうです。当たり前のように10数年間毎日ボートに乗って仕事をしていましたが、造船所って今まで見たことがなかったので、

めちゃめちゃワクワクします!船がどうやって出来ていくのかって意外にわからないですもんね。ダイバーならみんな気になるところではないでしょうか。

熊本天草の浜本造船所

ボクも初めての体験なので素人丸出しでキョロキョロワクワクしながら見学してきた所存です。

1月中旬に行った時は型枠を見て帰ってきたので、どんだけ進んでいるのか楽しみなところ!進捗状況と、設計細部の紹介も写真と合わせて紹介していきたいと思います!

船体外側のFRP樹脂部分は完成近し!

ダイビングボートの新艇設計書

前回1月中旬での視察ではまだ船体の型枠だけで、あれから約3ヶ月が経ちましたが進捗状況についての情報はほとんど皆無のまま天草へ。

そう、事前情報はほとんど皆無。ざっくりと進んで進捗状況は見てからのお楽しみ状態が普通だそうで!(笑)ボク的にはマメに進捗状況が知れても特にできることはないので問題なし!これはこれで楽しみが最大限膨らむので面白い。

という事でまずは船体から!

ダイビングボート造船過程1

ダイビングボート造船過程2

もうすっかり船!このまま走れそう。やばい。かっこよくてクラクラしてくる。でもクラクラしてる場合じゃない。ちゃんと入念に打ち合わせをしなければ。

ファーストインパクトの感動そこそこに、詳細見学と打ち合わせへ。

ダイビングボート造船過程3

エメラルドに輝く鉄の塊はボートの心臓部であるエンジンもすでに載っています。現行ブレンズの馬力が倍近くもあるエンジンが2機!

その他にプロペラ周りも設置完了していました。順調順調!

残りは操船エリアと船内部分、金物関係

ダイビングボート造船過程5

ダイビングボート造船過程8

船内部分はまだこれから仕上げという感じ。ボクたち的にはここからが本番。ゲストさま、スタッフが使いやすく快適に過ごせるかどうかはここからにかかっている。

職人さんと細部を一緒に見ながら再度打ち合わせをしてきたので、きっと大丈夫!

あと金物関係もこれから。手すりなどのステンレス部分は浜本造船のまた下請けさんが担当だそうで、これは最後の方になるのかな。

あとは二階に設置する操船エリア。

ダイビングボート造船過程設計図1

ダイビングボート造船過程4

ここはまだ型枠を製作している段階でした。こうやって図面通りに職人さんが木で型枠を造っていきます。

この段階が造船では一番大事だそうで、一番時間のかかるところでもあると言っていました。ふむふむ。何事も準備が大事なようだ。

ダイビングボート造船過程7

内側にオレンジの木製内張りを貼っていき、そこにFRP樹脂を貼り付けていく。そして最後に型枠を抜いて完成。型枠の出来栄え次第で表面の綺麗さが決まると教えてくれました。ここも乞うご期待。かっこよくお願いします!!

”私たちのこだわり”を設計図も交えてご紹介

細部はまだまだ未完成の段階ですが、スタッフ全員で練って揉んで考えて盛り込んだ”私たちのこだわり”部分をこれから紹介していきます。

こうしたらもっといいのにとか、こう出来たら最高なのに!という現ブレンズでは出来なかった妄想を思いっきりぶち込見ました!

着替えも可能な広いトイレが2部屋!ゴージャスにウォシュレット完備

ダイビングボート造船過程設計図2

ダイビングボート造船過程9

BIGHOLIDAYのゲストさまは本当によくトイレを使ってくださります。中にはハシゴで用を足す方もいるけれど、トイレ派が多数でその使用率は90%以上!(ウエットスーツ内でする派は除く。良い子の皆さんはレンタルスーツではしないでね♩)

現ブレンズは最大ゲスト数8名に対してトイレ一台。これだけでも順番待ちが多いのにスタッフももちろんしたい。

トイレが二つあれば、かなりトイレ問題は解消されるはず!そしてスタッフの膀胱炎問題も解消だ。

社内で更衣室が欲しい!という案も出たのだけれど、トイレスペースを広めに取って更衣室を兼用する案で妥協してもらった。ボートが大きいとは言え、居住スペースは限られているので、BIGHOLIDAYに一番合ったスタイルをみんなで模索しました。

ダイビングボート造船過程10

写真では広さが少しわかりにくいですが、110cm×100cmスペースを取ってあります。これに便器を置いたらどうなるのだろうか。

ボクたちも実際の便器はまだ見ていないので、広いのか狭いのかは全て設置したあとの感想待ちとなりそうです。是非遊びに来ていただいて感想を頂けたら嬉しいです!

現ブレンズのトイレは手動洗浄式で、使い方もわかりずらくご不便おかけしていますので、今回はもちろん電動洗浄式!ボタン一つで流れます!!(当たり前?)

しかもゴージャス仕様のウォシュレットをオプションで追加!我が家にもそんな高価なものは付いていませんが奮発しました。これがあればお尻拭かなくていいかも。どうせ濡れるしな。どうでしょう。

早くここでうんこしたいなー!!

二階の広いフライングデッキで景色を満喫!さらにテントも設置予定

ダイビングボート造船過程設計図3

ダイビングボート造船過程11

夢の二階建て構造!通称フライングデッキ!ここから海に向かってフライングしちゃいましょう。ベンチは敢えて設置せず、広さを重視。風通しの良い二階で寝っ転がるもよし、景色を眺めるもよし。ここで昼寝したら最高です。

テントは操船スペースだけではなく、ゲストスペースも覆います。日焼けと雨の心配も無用で最高に贅沢な空間に仕上がる予定!

そして今回は完全分煙で一階は禁煙、二階は喫煙。きっとここで吸うタバコは世界中のどこで吸うより美味しいはず。

二階は行きたいけれど煙が苦手な方は、二階前方に行けば煙はかかりませんし、前方は一番の絶景ビューポイントなので、是非二階も楽しんでいただきたいと思います!

絶対にカメラが曇らない”カメラ置き場”

ダイビングボート造船過程設計図4

カメラのハウジング内部が曇ってしまった経験はたくさんのダイバーを悩ませるところ。それを完全に解消する構造となっています。

ハウジング内部が曇る原因

曇る原因はただひとつ!答えは”ハウジング内気温と外気温の差”です。ハウジングが直射日光に晒されるとハウジング内部の温度が異常に上昇してしまいます。

その結果、レンズ面など光を通しやすい透明な素材(アクリルやガラス)から曇ってきます。そのために乾燥剤を入れるのですが、そもそも直射日光に当たらなければ曇るほどの内気温と外気温の差は生まれません。

カメラ自体が発熱するためハウジング内部の温度が上がると言われることもありますが、BIGHOLIDAYの無料レンタルカメラは乾燥剤を入れていませんが、カメラ発熱が原因で曇ったことは創業以来一度たりともありません。

ハウジング内部の曇りを解決する方法は”日陰保管”

つまり日陰にカメラを保管できれば曇りは100%回避できます。そしてたどり着いた究極のカメラ置き場はこれだ!!

ダイビングボート造船過程11カメラ置き場1

上下二段全てカメラ保管場所になります。それが左右両側に二箇所!計4スペースのカメラ置き場が配置されます。上段はフタが付いて開閉式に、下段は開けっ放しに。

コンパクトデジカメだけなら40台は余裕で収納可能!

ダイビングボート造船過程11カメラ置き場2

上段は大きく広めに設計してあり、一眼レフ、ミラーレス一眼も楽々収納。

フォト派ショップであるという自負がありますので、ここはかなりこだわりました。使い勝手が良いか悪いかは、これも実際に使ってみないと正直わかりません。

是非マイカメラを保管しにきてください!

冬場に活躍!体の芯から暖まる”足湯”

ダイビングボート造船過程設計図:足湯

12月〜3月の寒さはどうにかならないものかと、ずっと悩んできました。厚手のボートコートを全てのゲストさまに無料でお貸出ししたりしていますが、

それでも真冬の寒さ対策としては不十分。

沖縄地方でドライスーツはあると便利ですが、使う時期が短く、閑散期にあたるのでドライスーツレンタルを用意することも難しく、それを安価でレンタルとなるとさらにハードルが高い。サイズもたくさん必要になってくる。

以上の理由から今後も沖縄地方でドライスーツレンタルがスタンダードになることはあまり想像できないし、よほどの外的要因で年中通して繁盛期になったりしなければ難しいのではないかと考えています。

では、このまま寒さに手をこまねいているかというと、答えは”NO”だ!!!

内地ではダイビングボートにお風呂(いけすにお湯)があるという話を聞いたことがあって、そこからヒントを得て、足湯。

ダイビングボート造船過程12足湯

造船所の社長が何か書いている中央部分の場所に足湯が設置されます。実際にはこれほど大きくなくて、深さも浅くなります。深さも綿密に計算し膝下まで浸かれるように40cmとなっています。

足湯の素晴らしさは、

  • お風呂と違い、複数人で一斉に暖まることができる
  • 足湯は血流で全身まで暖かさを運ぶ

という点で、札幌出身のボクは20歳の時に真冬に温泉地の屋外足湯でたむろしていた青春があり、そう、真冬の北海道でも氷点下の寒空の下、無限に快適に過ごせるということをボクの細胞は知っている。

しかし、シャワーのお湯では足湯にしては温度が低く、一度冷めたらもうダメだ。そこでヤンマーの偉い人に相談してみたところ、聞き様によってはこんな突拍子のない提案を、少しも笑わずに本気で設計してくれた。この人、プロだ。

もちろんボート用の既製品の足湯なんてものはこの世に存在しなく、ヤンマーの長い歴史の中でも、今まで作ったこともないそうだ。

ダイビングボート足湯設計図

ヤンマーの偉い人の名誉のために一言添えるが、この図はヤンマーの担当営業マンが書いたやつ。なるほど、ヘタクソだ。

まあ絵のクオリティはさておき、何が素晴らしいかというと、

  • 箱の周りには断熱材を入れて保温性もUP
  • エンジンの熱で真水を温められる
  • ボイラーと熱線の二段構えで急速に追い炊きが可能

凄い。凄すぎる。これでいつでも熱々の足湯で暖まることができる。しかも5〜6名いっぺんに!これが成功すれば沖縄ではドライスーツより先に”足湯付きダイビングボート”がスタンダードになるかもしれない。

ただ、成功する保証はどこにもない前提。『ヤンマー×浜本造船×BIGHOLIDAY』の共同チャレンジだ。ここも実際に使ってみてどうなるか。足湯のお値段は、うまい棒5万本分ほどかかっているので、何としても成功したい!させたい!!!

是非あなたの足を暖めさせてください!!

これだけでは終わらない”私たちのこだわり”はまた次回!

今回造船所で手がけていた”私たちのこだわり”紹介は以上になりますが、いかがでしたでしょうか。

社内で揉んで揉んで揉みまくった”私たちのこだわり”。全てはBIGHOLIDAYで休日を過ごしてくださるゲストさまたちのため、ただその一点のために。

まだいくつかはありますが、次回の視察後には紹介できると思いますのでお楽しみに!

納期が早まるかも!?

ぶっちゃけ納期は6月末と言われていました。しかし新造船の工期は1〜2ヶ月遅れるのが普通だそうで、今まで納期通りに届いた前例はないそうです。

そのため”夏に来ます”と濁していましたが、視察時に『納期は早くなっても大丈夫か?』とサプライズ打診をされて、それを承諾させてもらいましたので、6月初旬に納品ということになりました。

ことが全てスムーズに進めば6月初旬に納品となります。ただ初出航含め、予定は未定に変わりはないので参考程度にしていただきたいと思います。早く乗りてぇー!!!

次回の視察は5月下旬

次回の視察時にはほとんど完成しているそうです。もしかしたら天草の海上を走っている姿をお見せできるかもしれません。

全てサプライズで『納品後に発表方式』や、『実際見てからのお楽しみ方式』も良いけれど、”船を創る”というこんなに面白い体験を皆さんにも楽しんでもらいたく、また、一緒に見守ってもらいたく、

そしてゲストさまと一緒に成長していくBIGHOLIDAYらしく、『出し惜しみ無し方式』で全身全霊で公開している所存です。ですので、この記事を見ちゃった方は全員共犯者になりました(笑)友達の子供が産まれた感覚でNEWブレンズに逢いに来て下さい!

あとは、BIGHOLIDAY自体もボート就航に間に合うよう、レベルUPが必要。

宝の持ち腐れにならぬよう、NEWブレンズにふさわしいダイビングショップに昇華できるよう1日1日を大切に励んで行きたいと思っています。今こそSTAFF全員の力を合わせて全戦力で来たるXデーに向けて万全の準備を!!

この船で潜ってみて、ぜひあなたの評価を教えてください!もちろん酷評も甘んじて承ります!(ぎゃ〜っ!!)

ダイビングボート造船過程12

出来上がりや使用感で少し不安な面もあるけれど、大丈夫。ゲストのあなたと私たちの未来は明るい。

ではまた明日。