宮古島は季節によって潜れるエリアが違う件はご存知でしょうか?
ここ6日間は急に気温が上がりしっかり南風が吹き続いているため、伊良部島エリアでのダイビングが続いています。宮古島のダイビングスポットは大きく分けると伊良部島エリア、下地島エリアとなります。
潜れるエリアは風向き次第になります。詳細は下の記事をご覧くださいね。
ぶっちゃけ!伊良部島方面は3日潜るとポイントが被り始める!?
完全にポイントが被らないようにご案内しているショップもありますが、BIGHOLIDAYを含む地形を全面に押しているショップなどは見出しの内容に当てはまります。どういう事??
当てはまる条件としては下記の通りです。
- 洞窟やアーチ等、地形としての花形ポイント中心
- リクエストの入りやすい有名なポイント中心
- これらの地形ポイントを毎日3本潜る
沈船ポイントやカメパラダイス、魚の群れポイント、マクロ向けポイントなどなど地形以外にもバリエーションに富んだポイントがあるので、それらを挟んで緩急をつけながらご案内させてもらいたいと思っています。
それと同時に出来るだけたくさんのゲストさまに宮古島らしい花形の地形を見てもらいたいという思いもあるので、状況によっては被り始めてしまうという事になってしまいます。二回目も楽しいんですけどね!マジです。マジですって!!
第三の選択肢|八重干瀬エリア
八重干瀬といえば”日本のグレートバリアリーフ”と比喩されるほどの陸続きではない超巨大サンゴ礁地帯で南北17km、東西6kmの規模に及びます。でかい。
八重干瀬で潜りやすいのは8月〜8月
八重干瀬は外洋にあるので風が強いと波が高くなるので潜りに行く事ができません。したがって下地島エリアのような北風が強く吹くシーズンにはあまり行く事ができません。
5月〜8月の海況が穏やかなシーズンが狙い目で、伊良部島エリアと同じ時期となります。BIGHOLIDAYでは状況により八重干瀬遠征を定期的に行っています。
エリア | 風向き | 気温 | 水温 | |
---|---|---|---|---|
1月 | 下地 | 北 | 気温18℃ | 水温22℃ |
2月 | 下地 | 北 | 気温18℃ | 水温21℃ |
3月 | 下地 | 北 | 気温23℃ | 水温22℃ |
4月 | 下地/伊良部 | 北/南 | 気温24℃ | 水温23℃ |
5月 | 伊良部 | 南 | 気温27℃ | 水温25℃ |
6月 | 伊良部 | 南 | 気温29℃ | 水温27℃ |
7月 | 伊良部 | 南 | 気温32℃ | 水温29℃ |
8月 | 伊良部 | 南 | 気温32℃ | 水温29℃ |
9月 | 伊良部/下地 | 南/北 | 気温32℃ | 水温29℃ |
10月 | 下地 | 北 | 気温28℃ | 水温27℃ |
11月 | 下地 | 北 | 気温24℃ | 水温25℃ |
12月 | 下地 | 北 | 気温21℃ | 水温23℃ |
八重干瀬と言えば、絵に描いたような、子供の頃に思い描いたような一面に広がるカラフルなサンゴ礁が一番の魅力です。しかし昨年まで続いたエルニーニョ現象で浅場のサンゴは壊滅的。その被害は全サンゴの8割に及ぶと見られています。
【最終回】20年に一度のサンゴ大白化現象の結末|エルニーニョ現象2016
影響の受けやすい枝サンゴは今日見た感じでは壊滅的打撃。潜ったポイントでは10割。探せども探せども一つたりともありませんでした。今日見た範囲はごくごく一部なのできっと2割ほどはあるのでしょう。ショック。しかしこれも自然のサイクルで摂理。
八重干瀬にはファンダイビング専用のポイントがある
太陽光の影響をモロに受ける水面付近〜5mが一番被害を受けていますが、逆に水深を落としていけばあまり影響を受けていないサンゴたちがたくさんあります。
深場に広がる異空間サンゴ地帯
リュウキュウキッカサンゴとリュウモンサンゴの群生!写真はシュノーケリングや体験ダイビングでは見る事ができません。水深30mにひっそりと広がる異空間。だからこそ高水温の影響を免れたのだから。
『魚が全くいない事が異空間を作り出しているのかも・・・』と今日のゲストさまがポロっと言っていましたが、なるほど。それは完全に思考の外側だった。異空間とブリーフィングで紹介していてもその理由についてはあまり考えた事がなかったかもしれない。いただきます。
こちらは世にも珍しいコモンシコロサンゴ!通称大仏サンゴと言われてまして、見た目そのまま!同じく深い場所にしか生息せず、宮古島近海で発見されているのはなんとたったの2箇所!
このサンゴの凄いところは、この大きな範囲で一つの生命体であるということ。一般的なサンゴはたくさんの個体が集まって群生していますが、コモンシコロサンゴはなんとひとりぼっち。
その見応えたるや、大仏の頭の如し!
流れの速い場所に眠る沈船
ここもファンダイビング専用ポイントです。今日は穏やかな潮止まりのタイミングで潜れましたが、大抵流れているポイントで強い時には川のようにブンブン流れます。
巨大サンゴ礁地帯にポツンと一隻の沈船なんて海外のダイブサイトみたい。年々傾きが大きくなるわ、崩れて行くわでガイドとしてもその変化が楽しい。
キャビンが崩れ落ちたからこそ侵入可能となったエンジンルーム。真ん中のがエンジンです。晴れていれば窓から日差しが落ちて来てなんとも幻想的です。
ただ、いつ崩れてくるかわかりませんので、入ってみたい方は完璧な中性浮力の準備をお願いします!
さらに辺り一帯も通常の枝サンゴではなく一風変わったサンゴが多いエリアなので、どなたでも新鮮な気持ちで楽しんでいただけると思います。
前回3月に八重干瀬に来た時にゲストが撮っていた構図をパクって再現しました。背景に沈船!さーせん!あざっす!このニモはずっと船を見守っているんだな〜
外洋ある超海外級大物ポイント
外洋はブンブン流れる場所が多数ありまして、いくつか大物が期待できるポイントもあります。春先にロウニンアジが群れる場所があったり、夏にはボート下をうろつくフレンドリーなロウニンアジに会える場所もあります。
他には・・・
11月〜3月にはマンタチャンスも!石垣島みたいにクリーニングされてるわけではないので、確率は高くないけれど、外洋ポイントのリーフ沿いをうろうろしています。
そして極めつけは・・・
ヴァルァクーダ!!!
宮古島近海で安定的に現れるのは八重干瀬の大物ポイントのみ!ただ時として超海外級の流れもあるので上級者向けポイントになります。
他にもナポレオンフィッシュ、サメ、イソマグロなどスーパートピックス目白押し。八重干瀬のポテンシャル、疑う余地なし。
八重干瀬と言えば絵に描いたようなサンゴの群生も見逃せない
エルニーニョ現象で浅場のサンゴの8割が死滅したと言われていますが、それでもポイントを選べばなんとか綺麗な場所もまだ残っています。この景色こそ八重干瀬の真骨頂!
普段は伊良部島下地島の地形ポイントで潜ることが多いので、刺激的な地形と比較すると癒し系にあたるサンゴポイントは最高に気持ちいい。
BIGHOLIDAYではワイドレンズを装備してくるワイド派ダイバーのゲストさまが多いですが、サンゴも間違いなくワイドレンズがいい。
癒しだけじゃなく迫力だって凄いんです。浅場でゆっくり飽きるまで撮り尽くす。そんなダイビングも楽しいですね!
ファンダイビングだからこそじっくり見られる自然の軌跡
実は今日は狙ってました。なにせ刻は大潮!!
恐る恐るポイントの産み付けるであろうサンゴの近くを隈なくじっくり探すとエントリー5分後さっそく居ました。よっしゃー!!しかも前後に2個体。確定だ。
コブシメの産卵で60分DIVE
一心不乱に卵を産み付けている最中。コブシメの産卵は一連の動きのループで次から次へと産んでゆく。
- 卵を足先に込める
- 産み付ける場所を選ぶ
- サンゴの間にそっと卵を置いてくる
この写真、2匹写ってるのが判りますか?奥がメスで手前がオス。コブシメはメスが卵を産んでいる時にオスは必ず近くで見守ります。
他のオスに寝取られないように。近づいてくる他のオスがいる時は喧嘩になります。今日は二人の邪魔をするものは居なかったのでそっと見守っていました。
結局1DIVE60分をここでずっとコブシメの産卵を見て過ごす。こういう事ができるのもファンダイビングだからこそ。目の前で繰り広げられる奇跡以外に何もいらない。この奇跡だけで十分すぎると各々が思えるからこそできる事なんだと思う。
今日産み付けられた卵の様子は随時ブログに上げてゆくとゲストさまと約束を交わした。4/10に産み付けられたこの卵はやがて透き通ってイカの赤ちゃんの姿が見えてくる。
そして自力で卵の殻を突き破り大海を泳ぎ始めるまで今日から約70日。梅雨明けの頃だ。
こんなの見せられたらまるで自分が親イカにでもなったような気持ちになる。またすぐ様子を見に来よう。
まとめ
今日は八重干瀬のファンダイビング専用ポイントの魅力について迫りまって見ましたが、いかがでしたでしょうか。
他にも宮古島で2箇所しか存在しないと言われている幻の巨大サンゴや、超大物ポイントなどがあり、浅場の綺麗なサンゴ以外にもビッグポイントがたくさんある事を紹介したくて記事にしました。
伊良部島エリアには素晴らしい地形がある。でも状況によっては【第三の選択肢】もあり、十二分に魅力的。自信を持ってご案内させてもらいます。
FUN TO DIVING!