「せっかくダイビング旅行に来たなら帰る当日も時間が許すまで潜りたい」という方も多いのではないでしょうか?

しかし、移動手段に飛行機が含まれる場合は注意が必要です。

今回はダイビングと飛行機の関係や、どのくらい時間を空ければ搭乗可能なのかご紹介します。

 

 

■ダイビングと飛行機と減圧症の関係

飛行機 

ダイビングは水圧のかかる水中で圧縮された空気を吸うため、体内に窒素が蓄積されていきます。

この窒素は、水圧が弱くなるにつれて自然と体から抜けていきますが、完全に抜けるまでにかかる時間は潜水時間や水深によって変わります。

体内の窒素が完全に抜け切らず、残った状態で急激に気圧の低いところへ行くと窒素が膨張し、体内に気泡が発生してしまうのです。

この気泡はどこにできるか分からず、場所によっては細胞や神経がダメージを受け、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす危険もあります。

このような症状を「減圧症」と呼び、ダイビングでは特に気を付けなければなりません。

ダイビング直後、まだ体内に窒素が残った状態で気圧の低い上空を飛ぶ飛行機に乗ると、減圧症を引き起こす可能性が高く、飛行機に乗る当日のダイビングは危険とされています。

 

 

■ダイビングから飛行機搭乗までどの程度時間を空ければいいのか?

 

ダイビングでの潜水時間や水深に比例して体内の窒素は量が増えていき、抜けるまでの時間も多く必要になります。

指導団体によってバラつきはありますが、一般的に体験ダイビングなどの水深の浅いダイビングや1日に1本だけダイビングを行った場合は12時間以上、1日に何本もダイビングをしたり連日ダイビングを行ったりした場合は最低でも18時間以上、できれば24時間以上空けると減圧症の発症が抑えられると言われています。

ダイビング旅行の最終日は観光やショッピングを楽しんだり、海辺を散策したり、のんびり過ごすようにしましょう。

 

 

■ダイビング旅行は日程に余裕を持つ

日程

思う存分潜れるダイビング旅行ではどうしても予定を詰め込みがちですが、減圧症のリスクを考慮したプランニングを心掛けましょう。

ダイビングの後に18時間以上空ければ、計算上は前日までダイビング可能と言えます。

ただし、海外では24時間以上空けてあるツアーも多く、窒素の抜け方には個人差やその時の体調にもよるので、無理をせず余裕を持った計画を立てるようにしてください。

帰りの飛行機時間が決まっている場合は、ダイビングショップにあらかじめ伝えておけば無理のないスケジュールを組んでくれる場合があります。

また、ダイビングを避けて観光やドライブを楽しむ場合も、観光地やドライブルートが標高の高い場所だったりすると減圧症を発症しかねないので注意が必要です。

 

 

■搭乗前日のダイビングで気を付けるポイント

 

「どうしても搭乗前日までダイビングを楽しみたい」という方は、きちんと時間に余裕を持つほかに、体に負担のかかりにくい水深の浅い場所や流れの穏やかなポイントで潜る、タンクは酸素濃度の高いエンリッチドエアを利用する、水面休息を普段より多めに取るなど、減圧症の発症リスクを減らす工夫をすると良いでしょう。

減圧症は適切な治療を受ければ治るものではありますが、専用の治療装置がある病院まで何度も通わなければならず、さらにすぐ治療を受けられなかった場合は完治まで時間を要したり、後遺症が残ったりする場合もあります。

 

 

今回はダイビングと飛行機の関係、どのくらい時間を空ければ搭乗可能なのかご紹介しました。

ダイビングから搭乗時間までの待機時間を「もったいない」と感じる方もいるかもしれませんが、決められたルールを守らなければ安全にダイビングを楽しむことはできません。

せっかくのダイビング旅行ですから、日程には余裕を持って安全に楽しみましょう。

 

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