ダイビングで起こる体調不良と言うと減圧症を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
発症すると頭痛、めまい、吐き気、手足のしびれなど起こす減圧症は潜水病とも呼ばれ、ダイバーにとっては身近に起こりうる病気のひとつです。
今回はそんな減圧症を発症し、頭痛になりやすい人の特徴についてご紹介します。
■減圧症とは?
水中から浮上すると体にかかる水圧が下がり、ダイビング中に取り込んだ窒素が体内で膨張して気泡になってしまう症状を減圧症と呼びます。
ダイビングを終えるために水中から浮上しようとすると起こる症状なので、ダイビング直後~2、3日の間に発症し、潜っている最中は発症しません。
主な症状としては頭痛やめまい、吐き気や手足のしびれなどがありますが、重症の場合は意識不明になり命を落とす場合もあります。
治療には完治まで時間がかかることもあり、専用の治療設備のある遠方の病院まで長く通院しなければなりません。
減圧症の影響は臓器ごとにも異なり、症状にも個人差があります。
状態が悪化すると肝機能や腎機能に二次障害を引き起こし、永続的に日常生活に支障をきたす場合もあるので注意が必要です。
ダイビング中は時間をかけて周りの水圧に体を慣らしながらゆっくりと浮上する、あまり深くまで潜水しない、長時間の潜水は控えるということが減圧症を防ぐ効果的な手段と言えます。
ダイビングショップが主催するツアーや体験ダイビングであればプロダイバーのガイドが一緒に浮上してくれるので指示通りに行えばまず心配ありません。
■減圧症で頭痛になりやすい人の特徴
ショップが主催するツアーなどは安全性がきちんと計算されているので、ガイドに従い計画通りにダイビングを行えば減圧症の発症は起こりにくく、たとえ発症してしまったとしても緩やかに進行するため大事には至りません。
しかし、何かアクシデントが起こったりして突然急浮上してしまうと症状が急激に進行してしまい、重症化してしまう危険があります。
ダイバーの中には圧縮空気で再圧をかけ体内の気泡を消失させる、いわゆる「フカシ」行為を行い解消させようとする方もいますが、多くの場合は失敗してしまいます。
さらに窒素が体内に蓄積されてしまうことがほとんどなので、おすすめできません。
ダイビング中、もし何か少しでも異変を感じたら自己判断せずに必ずガイドに知らせて指示に従いましょう。
■少しでも異変を感じたらダイビングは中止する
ダイビング中、息がしづらいなどの息切れ感は減圧症の初期症状です。
水中の景色に夢中になって気付くのが遅れた、なんてことにならないよう、自身の体調の変化には注意を払いましょう。
また、片頭痛などの慢性的な頭痛を患っていなくても、ダイビング中に突然頭が痛くなることがあります。
タンクの消費を気にして呼吸を止めるスキップ呼吸や、緊張して速く浅い呼吸をしてしまうと二酸化炭素が体内にあふれてしまい頭痛を起こすのです。
同じ姿勢で泳ぎ続けたり、重量のあるタンクをずっと背負い続けたりすることで頭や首の筋肉が緊張して頭痛を引き起こすこともあるでしょう。
中にはマスクのストラップやウェットスーツの締め付けが原因で頭痛を起こす場合もあるので、きちんと体に合った器材を用意することも大切です。
1日に何本も潜ることができるダイビング旅行は楽しいものですが、危険と隣り合わせのレジャーでもあります。
旅行前に大量に飲酒したり、寝不足や風邪っぽいなど体調が良くなかったりする場合は万が一を考えダイビングは控えましょう。
今回は減圧症を発症し、頭痛になりやすい人の特徴についてご紹介しました。
ダイビングを行うには減圧症は避けては通れませんが、防ぐことはできるので減圧症を正しく理解し、ダイビングを楽しみましょう。