ダイビング後に減圧症になる人とならない人とでは、体質や体調、環境による個人差があると言います。
減圧症を予防するためにも、発症リスクを知っておくことが重要です。
特にダイビング後には減圧症を防ぐために、飛行機に乗ってはいけないルールがあります。
今回は、減圧症の予防で気を付けたいこと、どうして飛行機に乗ってはいけないのか、その理由をご紹介していきます。
■減圧症とは?
減圧症は、気圧の急激な高低差で体内に気泡が生まれて起こる症状のことです。
ダイビングにおける減圧症は、海底深くに潜った際に周囲が高水圧になり、タンクの空気が血中に侵入することで発症します。
体内に多くの空気が入り込んだままの状態で陸に上がると、空気が膨らんで様々な症状を引き起こします。
軽度のしびれやめまいなどで済むケースもありますが、重症になると激痛や運動障害などになってしまうリスクもあるので注意が必要です。
■減圧症を防ぐためには?
減圧症は血中にタンクの空気が多く溶け込むのが原因で発症するので、ダイビング中は予防を意識すると発症のリスクを軽減できます。
それでは、潜り方で注意したい点を説明しましょう。
・長時間潜らない
単純に、水中に長くいればいるほど体内に空気が侵入してきやすくなります。
一般的に、50分~1時間以上安全停止なしで潜ると危険が高まります。
また、水深が深くなるとその分周辺の気圧も高くなるので、深いポイントには長い時間潜水しないように気を付けましょう。
水深20m以上の地点には長く居座らないように心掛け、基本的には水深15mより浅い場所にいるようにしてください。
・浮上はゆっくりと
分速3m以上の速度で浮上すると気圧の高低差が急激になり減圧症のリスクが高まります。
分速18m以下のできるだけスローペースで浮上しましょう。
・安全停止もしっかり行う
安全停止を行うと減圧症のリスクを下げられます。
水深3~5mの位置で3~5分程度はしっかりと安全停止を行ってください。
深く潜った際や長時間潜った際には安全停止の頻度や時間を多くすると良いでしょう。
潜り方以外も、高血圧や肥満の人、中高年、体調不良などによっても発症リスクは高まります。
飲酒後や生理などによってもリスクが高まるので、ダイビングをする際には体調をしっかりチェックしてください。
■どうしてダイビング後に飛行機に乗ってはいけないのか?
ダイビング後、1日程度は飛行機に乗るのは厳禁とされています。
その理由は、減圧症の発症リスクを高めるからです。
ダイビング後に減圧症の症状が見られなかったとしても、飛行機に乗ると周りの気圧が急上昇し、体内の窒素が膨張し、不調が現れる可能性が高まります。
体内に入り込んだ窒素が抜けきるまでは飛行機に乗らないように気を付けましょう。
窒素が体内から抜ける時間は体質やダイブした水深などに条件で個人差がありますが、少なくとも18時間以内は飛行機に搭乗しないことをおすすめします。
旅行でダイビングしに行く方も多いですが、ダイビング後すぐに帰りの飛行機に乗るような日程は組まないようにスケジュールを立ててください。
また、同じ理由でダイビング後に標高の高い場所へ移動するのもリスクの高い行動です。
ダイビング後1日程度はあまり移動せず、ゆったりと体を休めるようにしましょう。
今回は、ダイビングの際に気を付けたい減圧症について説明しました。
深いところに長時間とどまらない、ゆっくり上に上がるなど潜る際に気を付けたいことはたくさんあります。
また、余裕を持ったスケジュールを考え体調管理もしっかり行いましょう。
くれぐれもダイビング直後に飛行機に乗るなど、リスクの高い行動は取らないようにするのも重要です。
ご紹介した点に気を付けて、安全にダイビングを楽しんでください。